「女川セラミカ工房
勝手に広報部」とは?
呼ばれてないのに現れた!
「震災で色を失った町をスペインタイルで彩りたい」という女川セラミカ工房のチャレンジに魅せられて、勝手に?応援を始めた東北応援団 白金支部の有志による広報部!
合言葉は「ノーリーズン、理由なんていらんねん」。



お知らせ
次号の配信時期:4月中旬

3 回「スペインタイルに惚れすぎた旅

~阿部鳴美さんロングインタビュー 後編~」

スペインタイルと阿部さんの人柄に惚れてしまった広報部!次回は『スペインタイルで町を彩るプロジェクト』について詳しくお伝えします!





みなとまちセラミカ工房
女川駅前プロムナードへ移転リニューアルOPEN!
店舗では手作りのスペインタイルが購入出来るだけでなく、スペインタイルの絵付け体験も出来ます! 色鮮やかなタイルに心まであったか~くなるお店

みなとまちセラミカ工房
〒986-2261 宮城県牡鹿郡女川町女川駅前
シーパルピア女川E棟21
連絡先:0225-98-7866
webサイト:
http://www.ceramika-onagawa.com

【第2回】スペインタイルに惚れすぎた旅
~阿部鳴美さんロングインタビュー 前編~


こんにちは、東北応援団 白金支部「セラミカ工房勝手に広報部」の平井です。
初めて女川町を訪れ町の人々に触れたときから、「女川の未来をいつまでもこっそり見守っていきないな」という気持ちをもちました。広報部の"勝手に"という言葉がまさに私にぴったり、そして密かなセラミカ工房ファンという事で、代表の阿部鳴美さんに対するインタビューにチャレンジさせていただきました!
今回の勝手に広報部は、阿部さんの素顔とセラミカ工房の魅力を探るインタビュー前編です。

「魚より肉派なんです」

平井: 女川にお住まいの方は、魚より肉派が多いという噂を聞いたんですが本当ですか?
阿部: そうですね。私も肉派です(笑)お魚はいただいた時に食べるぐらいで、買って食べる事はないですね。
平井: 噂は本当だったんだ~(笑) 阿部さんは生まれも女川ですか?
阿部: 生まれは岩手なんですが、2歳で女川に来たんです。両親は岩手の内陸出身なので女川に引っ越してからも実家では海の物は食べてこなかったんです。お嫁に来てから食べるようになって、今ではホヤも食べられますよ!
「スカートの丈は長かったですね。長い時代です。(笑)」
   
平井: どのような少女時代を過ごされてきたんですか?
阿部: 1人でこもこもっとしてるのが好きでしたね。母親がお店やりながら編み物したりしてたので、私も冬になると一生懸命編み物したり、その頃からものをつくるのが好きでした。
平井: 中学校までは女川町内の学校に通われていたんですよね。
阿部: はい。中学校の制服はセーラー服で、スカートの丈は長かったですね。長い時代です(笑)
平井: 長い時代ですか(笑)「なめ猫」とか「ビーバップ」とかね(笑)実は「メリケンサックの鳴美って呼ばれてた」、なんていう伝説があったりして!
阿部: メリケンサックは持ってなかったですけど、ヨーヨーは使ってましたね。
平井: 「おまんら許さんぜよ!」
阿部: そうそうってコラッ!(笑)
阿部さんは本当に気さくな方でノリツッコミも最高でした!

「関わってくれた人に恩返しをしたい」

1枚1枚の色鮮やかなタイルに、感謝の気持ちが込められている。

平井: 阿部さんはもともと陶芸をされていたんですよね。陶芸を始めたきっかけは何でしたか?
阿部: 昔から自分で窯場を周って歩いたりするぐらい焼き物は好きだったんですが、子どもたちが通っていた小学校の先生が陶芸をやる方で、その先生に指導を受けたのが最初です。その後、仲間同士で陶芸サークルを作ったんですよ。メンバーは多いときで30人くらいいたかな。
平井: 陶芸をするには焼くための窯が必要だと思うんですが、そういう設備はあったんですか?
阿部: ちょうど公民館を作る時で、町が陶芸の設備を用意してくださったんです。メンバーが減ってしまった時期もありましたが、町に設備まで用意してもらったのに終わらせてしまうのは申し訳ないし、自分も陶芸が好きだったので、細く長く残ったメンバーで続けていました。
平井: その時の経験が今セラミカ工房の運営に活きていますか?
阿部: 陶芸サークルを途中で解散していたら、今の自分はないかもしれません。何でも継続するって大変だけど、関わってくれた人に恩返しになるような事がしたいっていつも思ってるんです。
「見えない力を感じました。これは運命で行くべき道なんだなって。」
 
平井: 趣味で活動されていた陶芸サークルから、今度は事業としてスペインタイル工房を立ち上げるというのは大きな決断だったと思います。なぜスペインタイルを事業にしようと思ったのですか?
阿部: スペイン北西部に女川町と非常に共通点が多いガリシア地方という場所があるんですが、震災後にガリシア地方と異文化交流をしたいという話が復興連絡協議会で持ち上がっていたんです。そのころ、陶芸をやってみないかという声をかけられて動き始めていたんですが、同じ時期にスペインタイルのお話もいただいたんです。
平井: それはどういった経緯で?
阿部: スペインタイルの制作を学んで、この事業を立ち上げるっていう方がいたんですが、その方は焼き物の知識がなく、陶芸をやっている人を探しているということで私をご紹介いただいて。で、一緒に東京のスペインタイル教室に行きませんか?って誘われて興味本位で参加したんです。
平井: 陶芸をやるはずだったのに気が付いたらスペインタイルを作る事になってた(笑)
阿部: そうですね(笑)その教室の研修旅行でスペインへ行ったんですが、そこで実際にスペインの町を彩るタイルを見てスペインタイルに惚れ込んでしまったんです。最初は陶芸をやるためだったらタイルもいいかなっていう程度だったんですけど(笑)
平井: でもスペインタイルの事業は他に立ち上げる予定の方がいらっしゃったんですよね?
阿部: はい。事情があってその方はやる事が出来なくなってしまったんです。そこで、じゃあこの企画はどうなるんだろう、誰がやるのって、自分が関わっていた事もあって1人でモヤモヤしてて、それなら自分でやってしまおうと(笑)で、やってみてだめだったらあきらめようと、そんな感じでスタートしました。

旧セラミカ工房店舗。全てはここからスタートした。

平井: それはまた何かに導かれるようにスペインタイルの企画が阿部さんのところに舞い降りてきたんですね。
阿部: 自分を引っ張ってくれる、押してくれる見えない力を感じましたね。これは運命で行くべき道なんだなって。
平井: 実際に自分の目でスペインタイルを見て、どんなところに魅力を感じましたか?
阿部: 魅力とはちょっと違うかもしれませんが、スペインの博物館に三百年も前のタイルが展示してあったのを見たときに、そのタイルを作った人と繋がれたような感覚になったんです。今、ここ女川で同じようにタイルを作って、それを同じように町に飾って、それを三百年先の人が見てくれたら、もしかしたら同じ思いで繋がれるんじゃないかって。百年先も夢ではない、町を彩るタイルを通して過去・現在・未来の人を繋げたいと思ったんです。
「オシャレでセンスが良くて居心地の良い町になってくれたらいいな」


平井: 今、女川町は急ピッチで町の復興に取り組まれていますね。阿部さんもスペインタイルで町を彩るというチャレンジでまちづくりに参加されていますが、そんな阿部さんが思い描く理想の女川町はどんな町ですか?
阿部: 私はオシャレでセンスが良くて居心地の良い町になってくれたらいいなと思ってるんです。女川に住んでいる方が自分の町で休日を過ごして、町を出た方も帰省するのが楽しみになるような町。「私、自分の町が好きなの」って人に自慢出来て、外の友達を呼べる町。若い人たちがずっと女川で暮らしたいと思えるような、そんな町を皆で作っていきたいですね。
平井: そんな話聞いたら、惚れてまうやろぉ~♡
お話しを聞けば聞くほど、セラミカ工房に行くと感じるあの“ぬくもりと明るさ”は、まさに阿部さん自身や共に働くクリエイターのみなさんが作り出しているものなのだと実感しました。スペインタイルに惚れてしまった阿部さんと、同じくスペインタイルと阿部さんの人柄に惚れてしまった広報部!次回のロングインタビュー後編では『スペインタイルで町を彩るプロジェクト』について詳しく伺います。

次号第3回「スペインタイルに惚れすぎた旅 ~阿部鳴美さんロングインタビュー 後編~」へ続く

<みなまちセラミカ工房>
住所:〒986-2261宮城県牡鹿郡女川町女川駅前シーパルピア女川E棟21
電話:0225-98-7866
HP:http://www.ceramika-onagawa.com
JR女川駅直結のプロムナードへ移転リニューアルOPENしたばかり!
店舗では手作りのスペインタイルが購入出来るだけでなく、スペインタイルの絵付け体験も出来ます。