「女川セラミカ工房
勝手に広報部」とは?
呼ばれてないのに現れた!
「震災で色を失った町をスペインタイルで彩りたい」という女川セラミカ工房のチャレンジに魅せられて、勝手に?応援を始めた東北応援団 白金支部の有志による広報部!
合言葉は「ノーリーズン、理由なんていらんねん」。



お知らせ
次号の配信時期:2017 年3 月下旬
第9 回「The Final!!! 女川まちびとインタビュー ~セラミカ工房を通して見る女川の未来~ 後編」
いよいよ最終章。次回もセラミカ工房と繋がる女川町の方々へのインタビューをお届けします! 実際にタイルを飾られているお店の方、タイルをデザインされている方、セラミカ工房の作り手さんと、盛りだくさんです。ぜひ楽しみにお待ちください。乞うご期待!!




みなとまちセラミカ工房
女川駅前プロムナードへ移転リニューアルOPEN!
店舗では手作りのスペインタイルが購入出来るだけでなく、スペインタイルの絵付け体験も出来ます! 色鮮やかなタイルに心まであったか~くなるお店

みなとまちセラミカ工房
〒986-2261 宮城県牡鹿郡女川町女川駅前
シーパルピア女川E棟21
連絡先:0225-98-7866
webサイト:
http://www.ceramika-onagawa.com

【第8 回】『The Final!!! 女川まちびとインタビュー
~セラミカ工房を通して見る女川の未来~ 前編』
2017/3/17

皆さん、こんにちは。山と海と広い空、女川の風景が大好き!
今号を担当させていただくのは、2012 年から白金支部の活動を通して女川を訪れている「勝手に広報部」の平林真百合です。

「震災で色を失った女川の町を色鮮やかなスペインタイルで彩りたい」
その思いを胸に代表の阿部鳴美さんが陶芸グループの仲間と立ち上げた
「みなとまちセラミカ工房」。

セラミカ工房さんについて、ぜひ皆さんに知っていただきたいと「セラミカ工房 勝手に広報部」を立ち上げ、2016 年2 月からこのホームページにてご紹介して参りましたが、ちょうど1 年目となる今回が一区切り、最終章となります。

私たちが取材の度に感じてきた、訪れる人を温かい笑顔で迎えてくださる居心地の良い工房については
「第1 回 阿部さんと歩く女川スペインタイルの旅」など、過去の記事からも感じていただけると思います。ぜひご一読下さい。

今回はセラミカ工房と繋がる女川の方々にインタビューさせていただきました。
お忙しいところたくさんの方にお話を聞かせていただき、前後編2 回で公開致します。
前編ではセラミカ工房のタイルをデザインされている方、女川のまちづくりに携わる方に取材をさせていただきました。
「あたらしいスタートが世界一生まれる町」とは、震災後、新たに生まれた女川町のスローガンですが、その秘密の一端をこの記事から感じていただければ嬉しく思います。


「女川を訪れるきっかけを作ってほしい」
特定非営利活動法人アスヘノキボウ 後藤大輝さん
東京からI ターンされ女川に暮らす後藤さん。
優しい笑顔の裏には女川のまちづくりにかける熱い情熱が溢れていらっしゃいます。

「アスヘノキボウ」では、女川へのIUターン促進から起業支援、まちづくり計画作成にも携わっていらっしゃいますが、町の景観に彩りを添えているセラミカ工房のスペインタイルについて、どのように感じていますか?
「カラフルなスペインタイルは、白と黒をベースにしたシックな色合いのシーパルピア(女川駅前商業施設)でもとても目を引く存在です。」

「アスヘノキボウ」と「セラミカ工房」で一緒にやってみたいことはありますか
「『アスヘノキボウ』で運営している町内外からのIUターンのプログラムで講演していただきたいですね。
女川には地方には少ない女性が働きたいと思える仕事があります。その代表として外にPR していただきたいです。」

地方で働く魅力とは何でしょうか?
「私は、もっと若い人に地方へ出てチャレンジして欲しいと思っています。
現場を見て、そこにいる人達の思いを感じて仕事が出来る。地方には人口の多い都心には少ないチャンスがたくさんありますよ。」

これからの「セラミカ工房」に期待する事を教えてください
「女川を訪れるきっかけを作って欲しいですね。2 枚のタイルを絵付けし、1 枚を持ち帰り、1 枚を女川の町に飾るメモリアルタイルは、また女川を訪れてみたくなるとても良いプログラムだと思います。
先日『アスヘノキボウ』が運営するコワーキングスペースがある『フューチャーセンターCamass』に『セラミカ工房』さんのタイルが飾られたテーブルが入りました。利用者の方に自然にスペインタイルを目にしていただく事で、女川のスペインタイルに興味を持っていただければいいと考えています。」
木材を活かした家具を作っている石巻市の「はまぐり堂」と「セラミカ工房」のコラボで作られたテーブル

特定非営利活動法人アスヘノキボウ
「お試し移住」や「女川/地方に関わるきっかけプログラム」など女川に住んでみたい、学んでみたい、という方へ向けたプログラムを展開されています。
女川駅前「フューチャーセンターCamass」にはコワーキングスペースがあり、誰でも使う事ができます。
住所 >> 宮城県牡鹿郡女川町女川浜字大原75-7
ホームページ >> http://www.onagawa-future.jp/


「人に愛されるデザイン~小さなタイルに描く女川~」
セラミカ工房のタイルデザインをされている 堂賀貞義さん
女川町出身。小さな頃から絵を描く事がお好きという、
アーティスティックな雰囲気の中にチャーミングな笑顔が素敵な堂賀さん。

セラミカ工房のタイルをデザインするようになった経緯を教えてください
「代表の阿部鳴美さんとは元々顔見知りで、デザインをお願いされて描くようになりました。」

女川駅前に出来た商業施設「シーパルピア」や「ハマテラス」にも堂賀さんがデザインされたタイルが色々ありますね。今までに「セラミカ工房」のタイルをどのぐらいデザインされましたか?
「50 枚~60 枚ぐらいのデザインを提供したと思います。正方形のね、小さな紙の中に色んな物を描きましたよ。それをセラミカ工房の作り手さんが絵付けして焼いてタイルになる。どんな絵柄でもタイルに出来るわけではないので工夫しながら、作り手さんが作り易いものになるようにも意識してデザインしています。」

堂賀さんの細やかなデザインが映えるタイル・女川丼、神輿、さんま定食

タイルの絵柄をデザインする上で大切にされている事を教えていただけますか?
「人に愛されるデザインにすることが一番です。やっぱり商品なので、買ってくださる方に可愛がってもらえるような、たくさんの方に手に取っていただけるようなデザインになるよう、心を込めて描いています。」

配色も堂賀さんがされているのでしょうか?
「はい。タイルは使える色のバリエーションが限られているのですが、その中から自分で考えて決めています」

今後やってみたい事はありますか?
「現在の仕事を春に退職する予定なので、今後はデザインを仕事にしていきたいと考えています。
女川は、絵を描いたり、デザインをしたりしている若い世代の人が多くいます。
水産業だけじゃなく芸術面でも、若い人と競合するのではなく、一緒に歩いていけたらといいと思っています。」

「cafe gohan Cebolla」
住所 >> 宮城県女川町浦宿浜字十二神60-3(きぼうのかね商店街)
電話 >> 090-7936-4439
取材をさせていただいた場所は女川の「きぼうのかね商店街」にある「cafe gohan Cebolla」。
女川で水揚げされる魚を使ったメニューなど愛情たっぷり。女川の郷土料理が盛り込まれているのも嬉しい。
「cafe gohan Cebolla」店主 堂賀光枝さんは堂賀貞義さんの奥様。「ここは町の人達が集える場所。大切な大人のたまり場
です。訪れてくださる方の為に、これからもこの空間を大事にしていきたいですね」と笑顔で語ってくださいました。


「女川にぜひ、来てください、住んでください」
一般社団法人 女川町観光協会会長 /
女川みらい創造 代表取締役社長 鈴木敬幸さん
「困った事があればまず敬幸さんに相談すると良い」女川の若手から大御所までが信頼を寄せる鈴木さん。
そのクールな風貌とは裏腹に女川の未来について熱く語ってくださいました。

観光協会にとってセラミカ工房はどんな存在ですか?
「大切な観光資源です。スペインタイルはカラフルだし、目を引きますよね。町を訪れる方は、皆さん面白いと言ってくださり、絵付け体験をされる方もとても多いです。復興の良いエンジンになってくれています。観光協会としてもセラミカ工房さんをもっともっと外に発信していきたいですね。」

観光協会が考えるセラミカ工房や女川町の未来はどんなものでしょうか?
「セラミカ工房さんがゆくゆくビジネスとして展開していくなら窯を増やし、工房のスペースも広くしたいですよね。
観光協会としては、そこまでずっとバックアップして支えていきたいと思っています。
女川の異業種とコラボして製品を作り、相乗効果でお互いが伸びていく、なんていうのも良いなと思います。
今後も観光協会としてはセラミカ工房さんをはじめ、色々な団体が共存しながら活性化していく為のサポートをしていきます。
ハマテラスの前を緑地化する計画があり、夏はそこへ駅前エリアにお店を持たない飲食店に出店してもらい、ビアガーデンをやろうという案もあります。町を訪れてくださる方に向けて、女川ならではの魅力あるイベントや取り組みを色々計画していますよ。現在「お試し移住」というプログラムもやっていますから、ぜひ女川に、来てください、住んでください。」


「始めたこと、存在していること、やっていること全部に価値がある」
女川町長 須田善明さん
鈴木さんへの取材中に偶然近くを通りかかった女川町長の須田善明さん。鈴木さんが声を掛けてくださり、
急遽取材させていただける事になりました。町の方々のフットワークの軽さもまた女川の魅力です。


町にとってセラミカ工房はどんな存在ですか?
「セラミカ工房さんは、始めたこと、存在していること、やっていること全部に価値があると思います。
以前の女川は、町に来た方に提供出来る物って、美味しい魚など食べ物がメインでした。
今はセラミカ工房さんのタイルの絵付けをはじめ、石鹸やキャンドル作りが体験出来るお店も加わりました。それらは女川にはなかった文化で、その可能性を最初に先頭きって示してくれたのがセラミカ工房さんです。」

町としてセラミカ工房に期待することは何ですか?
「セラミカ工房のスペインタイルは、多くの皆さんに認知いただき、製品として良い物だと使ってくださる方も増えました。
元は陶芸サークルの仲間だった地域の女性の皆さんが「やろう!」と決めて始めて、今では評価をいただけるまでになった。これってすごい事ですよね。
将来的にはNPO じゃなく法人化してどんどん攻めてもらいたいと思っています。それは女川町の経済にとってもすごく良いことだし、その姿を地域の皆さんに見せてほしいですね。」

女川町観光協会(シーパル観光案内所)
女川に着いたらまずここへ! 女川駅前シーパルピア内にある観光案内所は年中無休。町内の美味しいお店から宿泊施設、イベントまで女川情報は何でもござれ。女川土産も販売しています。
住所 >> 宮城県女川町女川浜字大原1(シーパルピア女川)
電話 >> 0225-54-4328 / 営業時間 >> 10:00~17:00
ホームページ >> http://www.onagawa.org/


「地元市場ハマテラス探訪♪」

今回の取材では昨年末にオープンしたばかりの「地元市場ハマテラス」にも立ち寄りました!
木造平屋、延べ床面積約990 平方メートルの店内には、魅力ある飲食店等8 店が出店。
女川名物! 具材がてんこ盛りにのった海鮮丼「女川丼」からステーキ、ピザに海鮮釜飯まで、大人から子どもまでが楽しめる女川らしいメニューが並びます。
最大の特徴は広いテラス席! 屋内と屋外があり、季節に合わせて海を見ながら食事を楽しむことができます。
女川駅前という好立地でアクセスも抜群!皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね。

地元市場ハマテラス
住所 >> 宮城県牡鹿郡女川町女川浜大原476


「編集後記」
女川町に寒波が襲来した2017 年1 月14 日~15 日、今号の掲載順に取材をさせていただきました。寒風吹きすさぶ中、快く取材に応じてくださった皆さまに心から感謝致します。
取材中、勝手に広報部メンバーから観光協会 会長 鈴木さんと須田町長に「未来の女川町はどうなっていると思いますか」という質問がでました。
お2 人が共通して言われていたことの1 つに「交流人口を増やし、外の人に女川をフィールドにして面白い事をやってもらいたい」というお話がありました。
女川を訪れる私たちが、周りの人に一番伝え易い魅力は「食」。天然資源に恵まれた女川の海の海産物は、身が大きく旨みがあり、取寄せたホタテやカキを食べていただくと、鮮度だけではない美味しさを知ったという声を多く聞きます。
しかし、実はもう1 つの女川の魅力であろう「人」については、口で伝える事がとても難しいのです。
この記事を読んでくださった方で、まだ女川町を訪れた事がない方、ぜひ女川へ行ってみてください。

女川で出会う「人」の魅力に気付いて、ふらっと飲みに行くようになっていた、自らイベントを開催していた、暮らし始めていた、そんな方が女川にはよくいらっしゃいます。そして、女川で何かを始めたいと思ったあなたを、女川の人々が全力でサポートしてくれます。
さて、気になる後編は3 月下旬頃公開予定。次回もセラミカ工房と繋がる町の方々へのインタビューをお届けします。楽しみにお待ちください。

最後に集合写真をパチリ。左から瓜田(撮影)、平林(インタビュアー)、須田町長、
鈴木会長、平井(取材サポート)、三上(取材サポート)